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家の鍵

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15年の歳月を経て 子供に向き合う父親の姿を描いたヒューマンドラマ。

ジャンニは 若い頃 恋人が子供を産んで死んでしまったショックで 子供を置いてそのまま逃げ出してしまう。子供には 障害があったのです・・・。

15年経ってジャンニは 恋人の兄アルベルトに呼び出され 父親の姿を見たら 良くなるかもしれないと(奇跡が起きるかも?) リハビリ施設に連れて行くことを頼まれる。

ジャンニは既に結婚して 8ヶ月の子供もいる。

自分が捨てて逃げ出してしまった 障害を持つ子供パオロと対面し 戸惑いながらも 徐々に 愛情が湧いてくるジャンニ。

でも そんなに甘くはないのです。同じリハビリ施設で出会った パオロよりも重い障害を持つ子供の母親ニコールが 淡々とでも重厚に語ります。「20年間あの娘の面倒を見続けてきた。でも 時折 娘が絶望の眼差しで私を見る事がある・・・。いっそ死んでくれたらと・・・。」いつも穏やかで 強い母親で ジャンニを励ましていたニコールが ふっと本音をもらした瞬間です。

この映画は 感動した 良かった と手放しで喜べない とても重い映画です。
実際に 障害児の面倒を見るのに精神的に疲れ果て その子の将来に絶望して 殺してしまう母親がいますが それは 絶対にいけない事だけど きれい事では済まされない問題なんですよね。その子の面倒を見る事に人生の全てをかけなければいけないですし・・・。

私は 子供を産んだ事ありませんが もし 生まれてきた子供が重度の障害を持って生まれたら・・・と考えると 怖くなります・・・。

ニコールの言葉は ズッシリと胸に響きます・・・。

そして この映画のラストシーンは ニコールの言葉を思い出させます。

お互いに愛情は芽生えつつも 愛と希望だけではやっていけない過酷な現実が・・・。

「泣くなよ。泣くのはナシだよ。」これは 父親ジャンニのセリフではありません。パオロの言葉です。パオロは15歳の障害を持つ少年だけど ジャンニより深く長い人生を歩んできたのかもしれません。

淡々と描いているところがこの映画の いいところです。111分の映画ですが 長さは感じませんでした。

パオロ役のアンドレア・ロッシ 素晴らしい演技(?)と生の感情を見せてくれます。

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映画」カテゴリの記事

コメント

この作品、とても気になっていて近々観ようと思っていました。
自分は子供が二人いるのですが、
産まれる喜びと同時に、五体満足で障害などはないかどうか、
とても心配でもありました。
知り合いで障害のあるお子さんを持つ人がいますが、
やはり生活はとても大変のようです。
でも、子供に精一杯の愛情を注いで、
一生懸命頑張っている姿を見ると、
自分も、もっと頑張らなくてはという気持ちになります。

>この映画は 感動した 良かった 
 と手放しで喜べない とても重い映画です。

心して観るようにします。

応援ポチ。

投稿: Toys | 2008年5月20日 (火) 08時53分

我が家の近所に障害児たちの養護学校があります
家族が遠くから交代で送り迎えをなさってたりしますね
私達には判らない強いものを感じます

投稿: ちょい悪 | 2008年5月20日 (火) 13時34分

この映画はテーマが重いので観る方によってどうかなと思っていたんですけど、詩乃さんに気に入ってもらえたようで?良かったです♪ニコールのあの言葉はほんとずっしりきますよね。淡々としていますけど、私もこの映画は観て良かったと思えた作品でした。

投稿: ray | 2008年5月20日 (火) 18時50分

>Toy’sさん
私は TVのドキュメンタリー番組とかでしか見た事ないのですが 親御さん達の愛の深さに頭が下ります。
子供のうちは まだ良いと思うのですが
障害を持つ子供が大人になって 自分は歳をとっていった時の事を考えると 辛く苦しいでしょうね・・・。
勿論 先の事など考える余裕も無いと思いますが・・・。
ポチ ありがとうございます。

投稿: 詩乃 | 2008年5月20日 (火) 20時11分

>ちょい悪さん
障害を持つ子供の親御さん達は 強くなきゃ生きていけないでしょうね・・・。
以前観た 実話を基にした「僕はラジオ」のラジオは それほど酷い障害ではありませんが やはり母親の愛情を受けて(父親はいない)いい子に育ちましたが 母親が死んでしまって ひどく混乱してしまうシーンがありました。
ラジオの場合 周りの住民達に助けられ 施設に行かなくてもすみましたが・・・。
日本も もっと 障害者に優しい国にならなくてはいけませんね・・・。

投稿: 詩乃 | 2008年5月20日 (火) 20時20分

>rayさん
かなり 衝撃を受けました・・・。
映画ですが その後の家族が気になって気になって・・・。ジャンニの奥さんに 受け入れてもらえるのだろうか?8ヶ月の子供の面倒をみながら
パオロの面倒も見られるのだろうか?
パオロはきっと この先も 何回も家出するだろうなぁ?アルベルトにリハビリ施設から抜け出した事がバレたら どーなるんだろう?
いろんな 想像をしました・・・。

投稿: 詩乃 | 2008年5月20日 (火) 20時26分

私は亡くなった父が晩年に障害者施設の所長をしていた事がありまして、
その時に色々と父から話を聞きました。
"障害者"と一言で言っても重度の子もいれば、
普通の人と殆ど変わらない位の軽度の子もいるんですね。
それまでそうゆう仕事をした経験が無かった父でしたので最初は大変みたいでしたが、
今思えばとても貴重な数年だったと思います。
ですが実際その子達の親は貴重なんて思えない立場ですから本当に大変だと思います。
この作品は観てませんが、
観る時は色んな事を考えながら観賞したいと思いますよ。

応援ぽち

投稿: RIELU | 2008年5月20日 (火) 22時30分

>RIELUさん
そうなんですか~!そのお仕事を引き受けたお父様は 素晴らしいですね!いいお父様だったのでしょうね・・・。

この映画のパオロは 軽度の方だと思います。
言葉はたどたどしくても 自分の意志を伝えられるし 子供独特のイタズラ心も・・・。
ラストシーンが賛否両論になっているようですが
私は とても考えさせられて いいラストだったなと思います。
応援ぽち 有難うございます。

投稿: 詩乃 | 2008年5月21日 (水) 00時08分

初めて知った作品ですが、観たい!と思いました。
物心ついた頃から障害の方と接する事が多かったんですよ。だから身構えや戸惑いは一切無いんですが、でもそれは友達としての感情であって親となると言葉には表せないですよね。親しい友人が出産したのですがやっぱりそれが1番の恐怖で、考えてたらツワリが酷くなったぐらいでした。
子供の頃から感じてる事なのですが、「障害」という言葉がどうにも引っかかるんですよね。他の言い方ってあるのかな?

投稿: miyo | 2008年5月21日 (水) 17時16分

この映画,ジャケットでしか見てないんですよ~
障害者物ってなかなか批評が難しいです。
「ギルバート・グレイブ」のディカプリオにも
情けない事に,ちょっと頭にきたりしてしまった
のを覚えてます。
「スコア」でのエドワード・ノートンも巧かったです。
では,応援させて下さい凸

投稿: hiro | 2008年5月21日 (水) 21時32分

>miyoさん
私は 大変恥ずかしい事に 子供の頃 障害のある人に会ったら 怖くて逃げていました。
本当に愚かだと思います。

他の言い方・・・。体の不自由な人・・・。
以前 当事者の方が 体が不自由と言われると腹が立つと聞いた事があります。障害はあるけど 不自由じゃない!と その方は仰ってました。
精神障害者の友人は 自分は障害者だと言ってます。障害者協会で 海外とかで講演したりしてます。
もっと柔らかい他の言い方・・・。あるのかしら・・・?

投稿: 詩乃 | 2008年5月21日 (水) 22時04分

>hiroさん
この映画のパオロ役の子は 本物なんですよ・・・。(ダウン症の人が主人公の八日目もそうでしたが・・・)
だから ハリウッド的な派手な映画ではなく 淡々としているのが 余計 ズッシリくるんですよね・・・。

ギルバート・グレイプのレオ 駄目ですか!?
私 水風呂に入って ガタガタ震えているレオの姿が雨に濡れた子犬のようで 印象深いのですが・・・。
「スコア」は未見なので 観てみます。
応援凸 ありがとうございます。

投稿: 詩乃 | 2008年5月21日 (水) 22時16分

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